遺品整理のご依頼で伺いました。
草花の紋様が施された「十三代 今泉今右衛門」の薄墨・吹墨の ぐい呑や、真っ赤な辰砂釉が施された「馬場真右ェ門(真一郎)」の香炉の他、浮世絵の版画や、銅器の置物、日本画の掛け軸などをお譲り頂きました。
故人の方が大切にされていたようで、作品・共箱ともに状態の良さが印象的でした。
お電話での打合わせからお品物の引取り完了まで、ご親切にご対応頂き感謝申し上げます。
なお、下記に作者の経歴を記載させて頂きます。
【十三代 今泉今右衛門】
1926年 十二代今右衛門の長男に生まれる
1949年 東京美術学校(現芸大美術部)工芸科卒業
1957年 日展入選(~1959年)
1958年 佐賀県展にて最高賞受賞
1959年 佐賀県展依嘱
1962年 日本伝統工芸展初入選
一水会陶芸展入選
1963年 一水会陶芸展にて「一水会会長賞」受賞
一水会陶芸部会員推挙
1964年 欧州、米国陶芸視察
1965年 日本伝統工芸展にて「日本工芸会会長賞」受賞
日本工芸会正会員推挙
1966年 3ヵ年間米国にて「ジャパンアートフェスティバル展」出品
文化庁主催 日本伝統工芸秀作展に「色絵手毬花文鉢」出品
京都国立近代美術館「現代陶芸の新世代展」招待出品
1968年 京都国立近代美術館にて「色絵笹輪文鉢」買い上げ
1970年 フランス、ヴァロリス市第2回国際陶芸ビエンナーレ展「色絵かるかや文鉢」招待出品
京都国立近代美術館「現代の陶芸、ヨーロッパと日本展」招待出品
1971年 文化庁主催 日本伝統工芸秀作展に「色絵笹輪文鉢」出品
今右衛門陶房の技術者にて「色鍋島技術保存会」をつくり12代の会長補佐となり、国の重要無形文化財の総合指定を受く
1972年 東京国立近代美術館にて「色絵かるかや文鉢」買い上げ、陳列
1974年 一水会陶芸展 審査委員となる
1975年 12代死去により 13代今右衛門を襲名
1976年 日本陶磁協会賞を受賞
「色鍋島今右衛門技術保存会」を改組し代表となる、文化庁より重要無形文化財の総合指定を受く
1979年 東京国立近代美術館主催「近代日本の色絵磁器展」に出品
53年度日本伝統工芸展出品作「色鍋島薄墨草花文鉢」を文化庁買い上げ
日本伝統工芸展NHK会長賞受賞
佐賀県芸術文化賞受賞
1980年 日本伝統工芸展監査委員となる
1981年 日本陶芸展最優秀作品賞(秩父宮賜杯)受賞
日本工芸会西部支部幹事長となる
1982年 佐賀県陶芸協会会長に推挙される
日本伝統工芸展鑑査委員となる
1983年 57年に続き日本伝統工芸展鑑査委員となる
1984年 西日本文化賞受賞
1985年 日本伝統工芸展鑑査委員となる
1986年 紫綬褒章 佐賀県政功労賞受章
佐賀新聞文化賞受賞
1987年 日本工芸会常任理事に推挙される
日本伝統工芸展鑑査委員となる
1988年 毎日芸術賞受賞
第1回MOA岡田茂吉賞受賞
1989年 重要無形文化財個人指定(人間国宝)に認定
ポルトガル、リスボンにて個展
日本陶磁協会金賞受賞
1990年 ニュージーランド建国150年記念のための招待作品展
1992年 国際陶芸アカデミー名誉会員に推挙される
1993年 佐賀県立有田窯業大学校校長就任
1994年 パリ・エトワールにて個展
1995年 国際文化交流に対し外務大臣表彰
1998年 グッドデザイン賞審議委員に就任
1999年 勲四等旭日小綬章受章
2000年 日本工芸会副理事長に就任
2001年 10月13日死去
以上、略歴引用
【馬場真右ェ門(真一郎)】
大正13年 有田町生まれ。
鋳物工場勤務や米穀店経営を経て、昭和47年に町内に真右エ門窯を築く。
昭和54年 県展「亀甲青磁鉢」入選。
昭和55年 九州・山口陶磁展「辰砂花器」入選。
昭和56年「油滴天目大鉢」が日展初入選。
昭和58年「辰砂花器」で美協展一席美協賞。
昭和61年「辰砂彫文花器」で現代工芸九州会展大賞・現代工芸会長賞。
平成 8年 現代工芸展「曙の渚」現代工芸賞受賞。以後会員出品となる。
平成21年 12月29日 永眠
陶芸の技術はほとんどが独学で、辰砂を中心に天目や藍染めなど多彩な作品づくりを手掛ける。
以上、略歴引用